iCloudレガシーコンタクト設定方法|Apple IDの遺産対策|手順を丁寧に解説
「iCloudに保存した写真や連絡先って、もし自分に何かあったとき、家族はちゃんと見られるのかな?」
そんなことを、ふと考えたことはありませんか?
スマホの中にはたくさんの大切なデータが入っていますよね。
しかし、それが万が一のときにどうなるか、意外と知らないまま使い続けている方が多いのが現実です。
この記事では、iCloudのデータが亡くなった後にどうなるのか、遺族が困らないために今できる備えは何かを、順を追ってご説明します。
デジタル遺産とは何か、iCloudのデータはどうなる?

「デジタル遺産」という言葉、最近よく耳にするようになりましたよね。
具体的に何を指すのか、iCloudとどう関係するのか、ここで確認してみましょう。
デジタル遺産の意味をわかりやすく解説
デジタル遺産とは、スマホやパソコンの中にあるデータや、インターネット上のアカウントなど、デジタルの形で残された財産や情報のことです。
写真、動画、メール、SNSのアカウント、ネット銀行の口座、購入した電子書籍など、思い浮かべるだけでもかなりの量になりますよね。
iCloudも、その代表的なものの一つです。
iPhoneやMacを使っている方なら、気づかないうちに写真や連絡先、メモ、カレンダーなどをiCloudに保存していることが多いはずです。
こうしたデジタルの情報は、現金や不動産と違って「目に見えない」ため、遺族がその存在に気づきにくいという特徴があります。
だからこそ、元気なうちに整理しておくことが大切なんです。
iCloudに保存されたデータは遺族が引き継げるの?
結論からいうと、通常の状態では、遺族がiCloudのデータにアクセスするのは簡単ではありません。
iCloudのデータにアクセスするには、Apple IDとパスワードが必要です。
しかし、亡くなった方のパスワードを家族が知らないケースはとても多いです。
さらに、Appleの利用規約では、アカウントは本人だけのものとされており、パスワードを知っていたとしても、第三者がログインすることは規約上認められていません。
つまり、何も準備していないと、大切な写真や思い出のデータが誰にも触れられないまま残ってしまう可能性があります。
ただし、Appleは2021年から「デジタル遺産プログラム」という仕組みを用意しています。
これを事前に設定しておけば、指定した家族がAppleに申請してデータにアクセスできるようになります。
詳しくは後の章でご説明しますね。
放置するとどんな問題が起きる?
何も備えをしないまま放置すると、いくつかの問題が起きやすくなります。
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大切な写真や動画が取り出せなくなる:家族の思い出が詰まったアルバムが見られなくなるのは、残された方にとってもつらいことです。
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月額料金が引き落とされ続ける:iCloudのストレージプランや、Apple Musicなどのサービスは、解約されない限り料金が発生し続けます。
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SNSのアカウントが本人名義のまま残り、知らない人からメッセージが届く
放置すると困ることが多いからこそ、早めに「今できること」を考えておきたいところです。
iCloudのデジタル遺産に備えるために今できること
具体的な備えを知ると、意外とシンプルに感じられるようになります。
難しく考えすぎず、一つずつ確認していきましょう。
Appleの「デジタル遺産プログラム」を知っておこう
Appleのデジタル遺産プログラムとは、信頼できる人を「遺産連絡先」として事前に登録しておくことで、その人が亡くなった後にiCloudのデータへアクセスできるようにする仕組みです。
設定はiPhoneの「設定」アプリから行えます。
- 自分の名前
- パスワードとセキュリティ
- 遺産連絡先
上記の順に進むと、登録画面が表示されます。
登録する人数は、複数名でも大丈夫です。
実際にアクセスするときは、登録した人がAppleに死亡診断書を提出して申請する流れになります。
このプログラムを使えば、規約上も問題なく正式な手続きとしてデータを引き継ぐことができます。
まだ設定していない方は、ぜひ一度確認してみてください。
遺族がiCloudにアクセスするために必要な情報
デジタル遺産プログラムを設定した場合でも、遺族が手続きをスムーズに進めるためにはいくつかの情報が必要です。
まず、Apple IDとして登録しているメールアドレス。
そして、遺産連絡先として登録したときに発行される「アクセスキー」というコードです。
このアクセスキーは印刷して手元に保管しておくか、エンディングノートに書き留めておくと安心です。
手続きの際には死亡診断書も必要になるので、遺族がどこで手続きすればいいかをあらかじめ伝えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
情報を残す場所に迷う方には、データをスマホの中だけに保存できるモシモのエンディングノートがおすすめです。
アカウント登録不要で、インターネット上に情報が送られることもないので、大切な情報を安心して書き留めておけます。
パスワードやApple IDの管理をどう残すか
パスワードをそのまま書き残すことには、セキュリティ上のリスクもあります。
しかし、何も残さないと遺族が困ってしまうかもしれません。
そのバランスをどう取るかが、実はデジタル遺産の備えで一番悩むポイントと言えます。
一つの方法は、Apple IDのメールアドレスだけを書き留めておき、パスワード自体は書かずに「遺産連絡先を設定済み」と一言添えておくこと。
これだけでも、遺族が「どこから手続きを始めればいいか」を理解しやすくなります。
もしパスワードを残す場合は、エンディングノートや封筒に入れた紙など、限られた人だけが見られる場所に保管するのが安心です。
「全部は無理でも、Apple IDだけは残しておく」という小さな一歩から始めてみてください。
iCloud以外にも見落としがちなデジタル遺産がある

iCloudの話をしてきましたが、デジタル遺産はそれだけではありません。
スマホの中には、意外と見落としやすいデータやサービスがたくさん潜んでいます。
スマホの中にある意外なデジタル遺産の例
スマホの中を少し想像してみてください。
- 電子マネー残高
- ネット証券のアプリ
- ポイントカードアプリ
- ゲームアプリの課金データ
- 電子書籍のライブラリ
こうしたものも、すべてデジタル遺産に含まれます。
特に電子マネーや証券口座は、残高が残ったまま手続きされないと、遺族が損をしてしまうケースもあります。
「自分はそんなに使っていない」と思っていても、気づいたらかなり多くのアプリが入っていた、というのはよくある話です。
一度スマホのアプリ一覧をざっと見直してみると、自分がどれだけのデジタル資産を持っているか実感できるかもしれません。
月額課金サービスは解約されずに残り続ける
動画配信サービスや音楽アプリ、ニュースアプリなど、月額料金が自動で引き落とされるサービスは、本人が亡くなっても解約されない限りそのまま続きます。
解約手続きには、そのサービスのIDとパスワードが必要なことがほとんどです。
遺族がそれを知らなければ、毎月知らないうちに料金が引き落とされ続けてしまいます。
月額サービスの一覧を書き出しておくだけでも、遺族の負担をぐっと減らすことができます。
サービス名と、どのカードや口座から引き落とされているかをセットで残しておくと、なお親切ですね。
写真や動画データの引き継ぎ問題
iCloudには、家族の写真や旅行の動画など、お金では買えない思い出が詰まっていることが多いですよね。
こうしたデータは、アクセス権がなければ永久に取り出せなくなってしまいます。
写真や動画の引き継ぎで特に大切なのは、「どこに保存されているか」を伝えておくこと。
iCloudなのか、スマホ本体なのか、外付けのハードディスクなのか、それだけでも遺族が探す手間がまったく違います。
また、データ量が多い場合は、生前に外付けのハードディスクへバックアップを取っておくのも一つの手です。
大切な思い出を残すための備えは、早ければ早いほど安心です。
デジタル遺産についてよくある質問
ここでは、デジタル遺産についてよく聞かれる疑問に答えていきます。
「うちの場合はどうなるんだろう?」と気になっていた点が解消できるかもしれません。
ぜひ一度、確認してみてください。
iCloudのデータは本人が亡くなったら自動的に削除されるの?
自動的に削除されるわけではありません。
iCloudのデータは、アカウントが有効な限りそのまま保存され続けます。
ただし、iCloudの有料ストレージプランの支払いが止まった場合、無料の5GBを超えた分のデータは保存できなくなり、一定期間後に削除されることがあります。
また、Appleが長期間使われていないアカウントを削除するポリシーを設けているため、放置し続けると将来的にデータが消える可能性はあります。
「亡くなったらすぐ消える」わけではないですが、「ずっと安全に残る」とも言えないのが現状です。
家族がApple IDのパスワードを知らない場合はどうなる?
パスワードを知らない場合、通常の方法ではiCloudにアクセスすることはできません。
ただし、前述のデジタル遺産プログラムを事前に設定していれば、パスワードがなくてもアクセスキーと死亡診断書でAppleに申請できます。
プログラムを設定していない場合は、Appleに法的な書類を提出して対応を求めることになりますが、かなり手間がかかりますし、必ずしもデータを取り出せるとは限りません。
だからこそ、デジタル遺産プログラムの事前設定が、今できる一番シンプルな備えだと思います。
デジタル遺産を整理するのに特別な知識は必要?
特別な知識は必要ありません。
大切なのは「自分がどんなサービスを使っているか」「そのIDやアクセス方法をどこかに書き残しておくか」という2点だけです。
難しく考えすぎず、まずは使っているアプリやサービスを書き出すところから始めてみてください。
全部を一度に整理しようとすると大変ですが、「今日はiCloudだけ」「来週は月額サービスだけ」と少しずつ進めれば、無理なく備えることができます。
デジタルが得意でなくても、紙に書いて封筒に入れておくだけでも十分な備えになりますよ。
デジタル遺産の備えは今日から少しずつ始められる
デジタル遺産プログラムの設定、Apple IDの書き留め、月額サービスの一覧化、写真データの保存場所の明記…。
どれも、一度やってしまえば大きな安心につながります。
「全部いっぺんにやらなきゃ」と思うと重くなりますが、一つからで構いません。
デジタル情報をどこに書き留めるか迷ったときは、モシモのエンディングノートを使ってみてください。
スマホやパソコンの中だけに保存されるので、インターネット上に情報が出ていく心配がありません。
ログイン不要で無料、開いたらすぐに書き始められるので、「今日の一歩」にちょうどいいツールだと思います。
使っているアプリを10個だけ書き出してみること、それだけでも立派な一歩です。
大切な人に「あとのことは分かるようにしてあるよ」と言える状態を、少しずつ作っていきましょう。
